「ステマ」ってなに?

アヴァロンコンピュータ

2012年01月11日 15:11

 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 今日の話題は「ステマ」。
 スマップの番組じゃないかと思わせる(?)ような言葉ですが「ステルスマーケティング」という造語の略です。

 ステルス(stealth)という言葉はレーダーに補足されない米軍用機F-117ナイトホークで有名になりましたが、元々は「こっそり」という意味。
 つまり「こっそり宣伝しちゃう」というのが「ステマ」ということになります。

 もっと解りやすくいえば「サクラ」。つまりある商品を客側の立場で振る舞い売れるようにこっそりと扇動するという宣伝手法のひとつです。
 このステマがネットで最近話題になってきました。その理由のひとつとしてよくあげられるのが「食べログ事件」です。



○食べログ事件

 昨年11月あたりからネットでも話題になり、今年初めにはTVでもとりあげられることになったこの事件。
 「食べログ」とは飲食店の人気ランキングサイトで、匿名ユーザーからの批評レビューと採点からこのランキングが決まるという仕組みのサービス。人気も高く月間利用者は3200万人といわれています。
 つまり、ここでの採点が3200万人のユーザーへ響いてしまうということになります。(実際には地域性があるので1つのレビューが全店、全ユーザーに影響するわけではありませんが・・・)

 問題になったのはこのレビューや採点に関する部分。運営するカカクコムではこのサービス、「店舗の掲載」「レビューや採点」にお金をとっていません。当然ですが、お金をもらったら評価に公平性がなくなってしまうからです。

 しかし、ここに目をつけた業者が現われます。彼らは「顧客のふりをして良い点数をつけまっせ!そのかわり1レビューに○○円くださいな」という商売を始めました。

 これだけなら消費者庁が動くことはなかったのですが、書き込みには明らかに食材の産地偽装や過剰な煽り文句、実際のサービスより大きく見せるといった誇大広告が目立つようになってきたばかりか、存在しないカカクコムの正規代理店を名乗る業者も現われてきました。

 直接ではないにせよ、誇大広告をお金を払ってお願いしてしまった店舗にも問題は及びました。



○この事件だけなの?ステマって?

 ステマという言葉自体はGoogleのトレンドキーワードとして2012/1/4に跳ね上がっています。これはTVで大きく取り上げられたことに起因します。(やはりメディアとしてはネットがネタ帳、TVがブースターという感じですね)

 では「食べログ事件」以前には「ステマ」はなかったのでしょうか?

 そんなことはありません。「2ちゃんねる」のような掲示板、Amazonのレビュー、匿名性の低いTwitterやFacebook、mixiのようなSNS系サービス、アフィリエイトを目的としたブログ。ステマという言葉はなかったものの昔から扇動する書き込みはありましたし、そのような業者も存在しました。

 それではネットだけだったでしょうか?

 それも過去からどのメディアにもあったはずです。芸能人を広告塔に使った各種サービスの宣伝、写真週刊誌の記事の合間にある記事と間違えてしまう「パチンコ必勝法」の宣伝、ワイドショーの合間に番組中に流れる洗剤のCM。

 ステマはあくまでメディアの移り変わりのなかでネットで生じた「サクラ」の一つ。ネットのネガティブキャンペーンとなってほしくないものです。昨年の「グルーポンおせち事件」といい取り扱い方がネガティブキャンペーンとしか思えないですけど・・・



○自分を信じ見失わないこと


 過去からラジオでもブログでも何度もいっておりますがネットというのは単なる一つの「メディア」であり「ツール」にすぎません。
 よく見れば「サクラ」かどうかはスグにわかります。ちっともステルスではありません。
 普通、見ず知らずの人の言うことを簡単に聞かないでしょう?

 人がどうだとかではなく、まず自分自身を信じること。これが情報化社会、特に頼みもしないのに過多な情報が蔓延する社会を生き抜く肝です!