ラジオネタ:主婦とクラウドコンピューティング

先週はお休みということで、みなさまお久しぶりです。

「浜松まつり」は期間中晴天に恵まれ、大勢の参加者で盛り上がりましたねぇ。
しかし、平穏すぎて風がなかったのが悔やまれるところ。見るほうは楽でしたが。


 さて、今週は「主婦シリーズ」第2段ということで、「主婦とクラウドコンピューティング」というタイトルでお送りいたします。

 最近よく耳にする「クラウドコンピューティング」「クラウドサービス」とは一体なんなのか?を主婦の方を中心にご説明させていただきます。


■「クラウド」とは何なのか?

 「クラウド」というと、ハリウッド映画でイケメン若手俳優が演じていそうな役の名前みたいですが、普通に「雲」の「クラウド」のことです。そして、この雲は「インターネット」を指しています。
 ではなぜ「インターネット」のことを「クラウド」と称しているのかというと、よく「インターネット概念図」のようにTVや雑誌等のメディアでもインターネットをイメージした図を見ると「雲」で表現されていることが多くないですか?
 また最近のインターネットは無線LANや3Gのように携帯電話やDS/PSPのようなゲーム機に当り前のように利用供給されています。このサービスを使っているとき皆さんはインターネットを意識せず「まるで空から情報が振って来ている」という感じではないでしょうか?

 つまり「クラウド」という言葉はこの2つの意味があります。正直、ダブルミーニング(2つの意味をもつ)というには大袈裟で後者の「空から情報が・・・」というのは営業的な後付かと思いますが。。。

 では「なんでインターネットからネーミングを変えるの?」(別にインターネットという言葉が変化したわけではありませんが)という話しですが、個人的には「新しい要素が入ったので、そこを売るために営業的にも新しいネーミングが欲しかった」というのが正直なところじゃないかなと考えています。
 IT業界にもかつて、ITから以降「ユビキタス」「Web2.0」等の名前がありましたが、ここにきてこの「クラウド」登場です。
 「仮面ライダー」や「プリキュア」が1年毎に装いも新たに「仮面ライダーW」とか「ハートキャッチ・プリキュア」と名前を変えるのに何か通じるものを感じます。実際にはサービスや概念そのものが後で述べるように進化していますので「ベーゴマ」が「ベイブレード」になったくらいの変化はありますが・・・解りにくいですか(^^;



■「クラウド」の基本

 今までコンピュータやソフトウェア、アプリケーションを利用する場合はこれらを自身が購入しなければなりませんでした。また、パソコン等であれば「インストール」という使うまでの作業も必要でした。
 これに対しクラウドコンピューティングは「インターネット上にアプリケーションもデータもすべて用意されている」というサービスです。つまりインターネットと、そこに接続できるマシンさえあればクラウドコンピューティングのサービスは受けられるということになります。
 この「マシン」というのもパソコンである必要はなくなってきており、iphone等のスマートフォンを含めた携帯電話やipodのような音楽再生機器、デジカメ、ビデオカメラ、電子辞書、電子レンジ等の様々な家電にまで拡大しています。背景には無線や家庭内のLANというインターネット環境がそれだけ充実してきているということもあります。

 基本的にクラウドではインターネット上に用意されたリソース(資産:この場合ソフトウェアやデータ)を使うだけ、またサービス料金のほとんどが「使った分だけ払う」という形態です。つまり「パソコンを買ったらOSもワープロソフトもゲームも買ってインストールして、容量が足りないからメモリ買って、外付けHDD買って・・・」ということが不要になってきます。(実際にはOSはまだ必要な部分もありますが)
 我々IT業界にも大きな影響が出ています。今まではソフトウェア開発をする場合に開発する環境を数十万~数百万かけて用意する必要があったのですが、既にできあがった環境を数万でレンタルすることが可能になってきました。これは一般の方にも影響する話なのですが、開発費が落ちるということは最終的には販売価格も落ちるということになります。特にクラウドは「必要な時に必要な分だけ利用する」という「JustInTime」的な使い方と料金支払いが可能ですので、今まで業務ソフトウェア等に手が出なかった方には朗報かと思います。



■「クラウド」の種類

 クラウドのサービス提供は大きく分けて「SaaS(サース)」「Paas(パース)」「HaaS(ハース)、IaaS(イアース)」という3種類に分類されています。何か中学・高校の部活動で教わる挨拶のようですね(^^;

・SaaS (Software as a Service)
 インターネット上でソフトウェア(アプリケーションやパッケージ)を提供するスタイル。クラウドのなかで一番皆さんが使うことになるであろう分野です。一番有名なSaasとしては「Googleサービス(G-Mail、Googleドキュメント、カレンダー等)」が皆さんには馴染みがあるのではないでしょうか。
 クラウドという言葉がない時代は「ASP(Application Service Provider)」という言い方も前からあり、個人的にはblogサービスもこれにあたると考えています。

・PaaS(Platform as a Service)
 これはIT業界でない皆さんには、あまり関係のない分野かと思います。制作したソフトウェアをインターネット上で実行できる環境をサービスしています。ホームページでちょっとしたプログラムを作った方ならイメージしやすいですが、CGIをレンタルサーバーで動かすその環境がPaaSのひとつといえます。有名どころでは「GoogleAppEngine」や「WindowsAzure」といったサービスがあります。

・HaaS/IaaS(Hardware as a Service/Infrastructure as a Service)
 これもIT業界でない皆さんには、あまり関係のない分野ですが「ソフトウェア開発環境が一通りインターネット上に揃っている」というサービスです。開発環境というのは先に述べたOSや開発言語、開発ツールのことを指します。もっとも出来上がったものをそのまま利用する場合もあるので一概に関係ないということはありませんが、基本的にユーザーが使うサイドは「SaaS」という形態になります。



■てっちゃんの「ココは言わせて」

 主婦に向けてということでしたが、どうしても解りにくく至らない部分があり申し訳ございませんm(__)m
 しかし、我々IT業界のなかでも「クラウドという言葉どおり雲を掴むように意味が分からない」という方は少なくありません。また、「定義が曖昧」「そんなの営業トークのために新しい言葉作っただけじゃないか」という否定的な方も著名な方でいらっしゃいます。

 自分自身も「インターネットの進化する過程であってポケモンでいえばピカチュウがライチュウになったというレベル」で考えています。
 しかし、否定的ではありません。恐らくインターネットやこれらに関連するデバイス(機器)やサービスがここ2年間で変化する大きな波が来ていると思います。例えば、デバイスでいったら「ipad」や「Xperiaのようなandroid携帯」、サービスでいえば「Twitter」「GoogleApps」というようにソフトウェアがより家電になり、より身近になってきています。
 これは我々IT業界だけでなく、皆様の日々の商売(商売は横道なしかと思いますが)や生活にも「水道のように当り前」になっていくことへの序章かと考えています。
 「そんなのおまえらもうけたいだけだらぁ」と眼をそむけず、先を見越して少しでも向き合っていただければと思います。


この記事へのコメント
近々浜松に引っ越すのであれこれブログ見ていたらここにたどり着きました。
TwitterとかOOoに初心者的関心を持っています。このブログのようなアプローチはとても有難いと思います。これからも楽しみに拝見します!
Posted by paz at 2010年05月23日 01:17
>pazさん

ようこそ浜松へ!
餃子だけでない浜松を色々発見して楽しんでくださいまし!

このブログの内容はラジオ放送のネタに使っているメモですので、
よろしければ本放送の「特盛!情報局!」も聞いてみてください!
毎週水曜AM11:30ごろからFM-Haro!にて放送中です。
Posted by てっちゃん at 2010年05月26日 01:34
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
ラジオネタ:主婦とクラウドコンピューティング
    コメント(2)